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抗パーキンソン病薬一覧
L-ドーパ製剤とドパミンアゴニスト以外の補助的に使われる抗パーキンソン病薬一覧。
MAOB阻害薬
- 薬剤名:セレギリン(商品名:エフピー)
ドパミンを脳内で分解してしまうMAOB(モノアミン酸化酵素B)という酵素の働きを抑制する薬で、脳内のドパミン濃度を40~50%上げることができます。
セレギリンの使用の際は、セロトニン症候群(セロトニン中毒)を誘発する危険性があるため、三環系抗うつ薬、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)との併用はできません。
COMT阻害薬
- 薬剤名:エンタカポン(商品名:コムタン)
COMT阻害薬(カテコール-O-メチル基転移酵素阻害薬)は、主に肝臓などの脳以外の臓器でのL-ドーパの分解を抑え、L-ドーパの効果を長続きさせる作用があります。
特に進行期のウェアリング・オフに効果がありますが、L-ドパの利用効率を上げる薬なので、必ずDCI合剤と一緒に使用します。
副作用としてジスキネジア、悪心、下痢や便秘といった消化器症状も出ることがあります。
ドパミン放出促進薬
- 薬剤名:アマンタジン(商品名:シンメトレル)
A型インフルエンザに対する抗ウイルス薬として開発された薬ですが、ドパミンが遊離されるのを促進することから抗パーキンソン病薬として使用されます。
進行期のジスキネジアを抑制しますが、持続効果は8カ月以下になります。
アマンタジンは比較的に精神症状や紹介気症状などの副作用は少ない薬ですが、腎排泄なので、腎障害のある患者さんや高齢者では少量からはじめます。
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抗コリン薬
- 薬剤名:トリヘキフェニジル(商品名:アーテントレミン)
- 薬剤名:ビペリデン(商品名:アキネトン)
- 薬剤名:ピロへプチン(商品名:トリモール)
- 薬剤名:プロフェナミン(商品名:パーキン)
- 薬剤名:マザチコール(商品名:ペントナ)
- 薬剤名:メチキセン(商品名:コリンホール)
抗コリン薬はもっとも古い抗パーキンソン病の治療薬となります。
ドパミン(DA)の量が増えると全体のアセチルコリン(ACh)が減少し、アセチルコリンが増加するとドパミン量が減ってしまいます。
抗コリン薬は、アセチルコリンの働きを抑えドパミンを増やすので、パーキンソン病の症状である振戦(ふるえ)や筋固縮に対して効果的で、早期のパーキンソン病の症状全般に対し、アマンタジンや少量のL-ドーパ単剤と同等のの効果が得られます。
抗コリン薬には、記憶力の低下、幻覚、せん妄などの副作用があるので、高齢者には使用を控えます。
その他、便秘をおこしやすいので注意が必要となります。
ノルアドレナリン補充薬
- 薬剤名:ドロキシドパ(商品名:ドプス)
パーキンソン病の症状の一つににすくみ足があります。
すくみ足の原因のとして、ノルアドレナリン不足が考えられています。
ノルアドレナリンの前駆物質のドロキシドパには、ノルアドレナリンを補う作用があり、パーキンソン病の運動症状全般、すくみ足、無動に効果がありますが、効果は比較的弱いです。
また、起立性低血圧にともなう立ちくらみやふらつきを改善する効果も認められています。
ちなみにドロキシドパは日本で開発された薬になります。
レポドパ賦活薬
- 薬剤名:ゾニサミド(商品名:トレリーフ)
抗てんかん薬として開発された薬で、偶然パーキンソン病の症状改善にも効果があることが発見され、2009年1月から抗パーキンソン病薬として認可されました。
パーキンソン病の進行期の運動症状を改善する効果があり、ウェアリング・オフのオフの時間を短くさせます。
アデノシン受容体拮抗薬
- 薬剤名:イストラデフェリン(商品名:ノウリアスト)
イストラデフェリンはアデノシンA2A受容体を阻害する作用を持つ新しいタイプの抗パーキンソン病薬です。
ウェアリング・オフのオフ時間の減少効果が期待されます。